去年の欅坂46『サイレントマジョリティー』、『世界には愛しかない』を最後に、2017年は“刺さる”曲がないと思っていた。もう今年は見つからないものだと諦めていたが、残り1か月ほど*1にして稀有なセンスを感じさせられる楽曲に出会った。Shiggy Jr.『僕は雨のなか』である。
基本情報
- 作詞:原田茂幸
- 作曲:原田茂幸
- 編曲:鈴木Daichi秀行
- BPM:149
- 4分の4拍子
- E minor
- タイアップ:フジテレビドラマ『ぼくは麻理のなか』主題歌
レビュー
『僕は雨のなか』は、4人組シティポップバンド「Shiggy Jr.」(シギージュニア)が移籍第1弾として発売したミニアルバム『SHUFFLE!! E.P.』の中の1曲。彼らについて調べながら感想を述べていこう。
なんといっても、聴くとまず飛び込んでくるボーカルの、悪い意味ではなく媚びたような甘い声が印象的だ。彼女は池田智子というらしい。
( ゚д゚)智子?
the brilliant greenフリークとしてはその名前に反応せずにはいられない。
川瀬とは声質は大きく異なるが、病みつきになる。高音もよく出る。『僕は雨のなか』では最高でF4(ヤマハ式)までの音域を披露している。
Shiggy Jr.のほとんどの楽曲を手掛けているのは、リーダーの原田茂幸(Gt., Vo.)。卓越したメロディセンスを始め、その才能に今後も期待したい。
編曲はなるほど、J-Popではおなじみの鈴木Daichi秀行。アレンジはボリュームをもっと抑えめで、もうちょっとダークにしてくれると個人的には好みであるが、ポップを特徴としているバンドにそれは求められないか。
『僕は雨のなか』の楽曲で特徴的に感じるのは、長2度の往復を繰り返すメロディとシンコペーションを多用したバッキングである。長2度で波打つメロディは、サビ、Aメロ、Dメロと、ほとんどすべてのセクションで登場している(短3度も含めるとBメロにもあることになる)。聴衆の耳に残るために効果的なことをやっている。バッキングに関しては、執拗に8分でクうリズムがノリの良さを生み出している。
コード進行は三和音主体のシンプルなもので、ロックに通ずるものがある。転調も控えめで、Inter.(Dメロ前の間奏)とラスサビ直前の一時転調のみ(ト短調への3つ調号がずれるよくあるパターン)。この2つは、the brilliant greenにも共通しており、私にこの曲が刺さった要因かもしれない。
ドラムのプレイはやりすぎくらい派手。ブリグリばかりで申し訳ないが、サビからAメロへの間奏は『I'M SO SORRY BABY』、落ちサビからの長いタム回しは『goodbye and good luck』を連想してしまった。
来そう。聴いてみてほしい。
最後に毒を吐いてしまうと、ざっくりと他のシングルも聴いてみたがこの曲ほどにハマるものはなかった。でも、今後も追ってみる。
90年代のようなバンドサウンド好きやブリグリファンは気にいるかもしれないので要チェックだよ。
#イントロのコードはG/E G7/Eかな?( ´-`)
*1:出会ったのは11月終盤