- the brilliant green #ブリグリ布教活動
- アーティスト: the brilliant green
- 出版社/メーカー: DefSTAR RECORDS
- 発売日: 2007/12/12
- メディア: CD
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (11件) を見る
『Enemy』はとにかく暗い曲。
本来はリリースする予定になかったが、メンバー3人が出すことを望んだ自信作。
私の評価では、近年(といっても10年近く経つのだが…)のthe brilliant greenのシングル曲の中で最も良い。
レビュー
荘厳さをもつ短調
キーはト短調。冒頭でこの曲を暗いと評したが、単なる暗い短調ではない。荘厳な、例えるならショパン『エチュード作品25-11』のような短調である。
伝わってくる重さというのか…ソリッドなサウンドは、初期の頃とは違うがまさにブリグリのイメージである。その完成度、雰囲気からして(リバーブをガンガンにかければ)名盤の3rdアルバム『Los Angeles』にも入れられる曲だといえる。
Simple is best
メロディもコード進行も、特に難しいことはしていない。シンプルなコードを使うことはthe brilliant greenの特徴であるが、この曲はそれが際立つ。シンプルにすることはすべての名曲に通じる法則だと思うのだが、それは言い過ぎだろうか。
好きなところ
イントロのギターのフレーズでまず引き込まれる。
Aメロは上がったり下がったり。最初聴いたときは、つかみどころのないおもしろいメロディと思った。
主旋律が主音で終わらないことはいいことだ。(自然的)短音階には導音がないが、この曲は解決のために半音のミb→レで終止する。
他の部分ではカデンツのC-D-Gm(ここは和声的短音階!)というコード進行が出てくるのに、あえてその形で終わらない。その効果により、しっとりとした印象でサビ、曲が終わる。
お気に入りは半音階を交えたギターソロの前の部分。
ギターソロもいい。ギターの音は歪みがあって音程が聞き取りにくいのが目立つ中、このギターソロは聞き取りやすい。
この曲は『冷たい花』に似ているとよく言われているようだ。おそらく、イントロのイメージからくるのだろうが、違ってやっぱりソリッドなのだ。