- the brilliant green #ブリグリ布教活動
- アーティスト: the brilliant green
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2010/06/30
- メディア: CD
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『Blue Daisy』は、松井亮(旧Gt.)脱退後初のthe brilliant greenの作品である。
レビュー
全体的に『Hello Another Way -それぞれの場所-』に似たコード進行をしている。
違いを作り出しているのはAdimである。イントロの
|E|Adim|E|Adim|
に続き、Aメロ
|E|Adim|E|Adim
|C#m B|A A/G#|~
やサビ
|E|Adim|C#m B|F# E/G#|~
で登場する。『Hello Another Way』がC#mへの進行にG#を用いているのに対して、『Blue Daisy』ではAdimを使っているのだ。無論、構成音はそれぞれ
「ミ→レ#→ミ」「ソ#→ソ#→ソ#」「シ→シ#→ド#」、
「ミ→レ#→ミ」「ソ#→ラ→ソ#」「シ→シ#→ド#」
のように進行する。
どちらも半音で接していることに注意してほしい。半音というのは、音楽において到達感、終着感を与えるのに重要な要素の一つだ。ハ長調において、ドでメロディが終わった感じがする(終止という)のは半音で接するシのおかげであるし、G7(構成音はソ、シ、レ、ファ)を聞くとC(ド、ミ、ソ)に行きたくなる(解決という)のはドやミと半音で接するシやファのおかげである。
反対に、違いはドミナントモーション(G7-Cといった動き)と経過和音にある。E-G#-C#mはC#mへの進行感が強く、E-Adim-C#mではなめらかに進む印象とdimコード独特の不安感が感じられるといった違いだ。
『Hello Another Way』と似たコード進行だが、Dメロではオリジナリティが見られる。
|C#m7|G#m7|Bm7|C#7
|F#m~
と嬰ヘ短調っぽくなるのだ。
メロディでは、おそらくブリグリ史上最も低いオクターブ*1のミミ↑が登場するところが目に付いた。
ちなみに、アルバム『BLACKOUT』に収録されているバージョンはミックス、マスタリングし直されている。濃密なギターに代表されるように、サウンドがまったく生まれ変わって良くなっているので、聴き比べてみてほしい。
このように、それなりにギミックに富んだ曲ではあるのだが、肝心なのは聴いて感じる印象である。
普通にいい曲じゃダメ。特にメロディは、もっと良くできる。
過去の栄光により、それほどまでにthe brilliant greenに対する私の期待は上がっている。
*1:音高の意味ではない。完全8度音程のこと