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電子ピアノのベロシティカーブをLogic Pro X側で調整する方法

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電子ピアノをMIDIキーボードとして使うと、ベロシティ感度が高すぎて不便なことがあります。多くのMIDIキーボードには本体やドライバ側でベロシティカーブを調整する機能が搭載されていますが、電子ピアノには搭載されていないかDTM音源に対しては不十分です。この記事では、Logic Pro X側でベロシティカーブを補正する方法を解説します。

 

電子ピアノをMIDIキーボードとして使用すると音が小さい

電子ピアノは、音源に高い表現力を持たせるためにベロシティのダイナミックレンジを大きくとってあります。リラックスした状態のVel=64程度を中心に1–127まで目いっぱい使用されます。それに対しDTMでは、80–100程度をベロシティの基準値(普通)とし、ゴーストノートを除いてあまり低い値は使われません。そのため、DTM音源で演奏すると音が小さくなります。

Logic ProのMIDI エンバイロメントを使うと、演奏データがトラックに入る前にベロシティを変換することができます。

 

方法

1. 「command + 0」キーを押し、MIDI エンバイロメントを開きます。

2. 「レイヤー」から「クリックポート」を選択します。

3. 「新規」から「トランスフォーマー」を選択します。

 

4. ケーブルをドラッグし、「...- 入力表示 - (トランスフォーマー) - シーケンサーインプット」となるように接続します。画像の「(モニタ)」は接続しなくて構いません。

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5. (トランスフォーマー)をダブルクリックし、「状況」で「=」を選択して「ノート」が選択されていることを確認します。

6. ウインドウ下側、「操作」の「ベロシティ」列から「スケール」や「指数」を選択し、適当な値を設定します。

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解説

フィジカルインプット

「フィジカルインプット」オブジェクトは、MIDIインターフェイスの物理入力を表しています。接続されているMIDIコントローラーの名前の出力に接続すれば、そのコントローラーのみMIDIイベントを処理することができます。「Sum」にはその他の出力のMIDIイベントが送られます。

 

入力表示

入力表示(「モニタ」オブジェクト)は、そこを通過するMIDIイベントを確認できます。音符マークはノートオン、斜線の入った音符マークはノートオフを表し、MIDIチャンネル、ノート番号、ベロシティが表示されます。コントロールチェンジも別のマークで表示されます。方法4.の画像のように「モニタ」オブジェクトを追加すれば、「(トランスフォーマー)」の前後におけるベロシティの変換の様子を確認できます。

 

(トランスフォーマー)

「(トランスフォーマー)」(「トランスフォーマー」オブジェクト)は、リアルタイムでMIDIイベントの選択、処理を行います。今回は、すべてのベロシティに対して変換を行っています。

「スケール」を選ぶと、ベロシティを上側の値で乗算した値に下側の値が加えられます。例えば、上側の値を1、下側の値を正数とすると、単にベロシティ全体が持ち上げられます。この場合、ベロシティが飽和しますが、この状態で上側の値を1未満にすれば回避できます。例として上側の値を0.5、下側の値を64に設定すると、32、64、96のベロシティ値はそれぞれ80、96、112となります。音量は大きくなりますが、63以下の値は出力されません。

おすすめは「指数」です。入力値の範囲(0–127)は変えず、カーブの形状を変化させます。正の値で下に凸、負の値で上に凸になります。この方法の利点はベロシティのダイナミクスを保ったまま中間値を制御できることです。例として-2.1に設定すると、32、64、96のベロシティ値はそれぞれ56、96、119となります。ベロシティのダイナミクスを保ったまま音量を大きくできます。注意点は、低い値に比べ高い値のベロシティの分解能が失われることです。

 

シーケンサーインプット

「シーケンサーインプット」オブジェクトは、Logic ProのMIDI入力を表します。MIDIイベントは、「シーケンサーインプット」オブジェクトを介してメインウインドウのトラックに送られます。

ステップ入力では、シーケンサーインプットを介さず入力されるためか、打鍵したそのままのベロシティ値で入力されます。

 

その他の方法

リージョンパラメータやMIDI FXのVelocity Processorを使う方法もありますが、これらは再生時に適用されるため不便です。

 

参考

mixi.jp