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DeNAの倒し方:WELQ騒動にみる検索エンジンのあるべき姿

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昨今、DeNAが運営するWELQというサイトがネット上で騒動を引き起こしている。SEOのテクニックを駆使し、クラウドソーシングで量産した不正確な医療記事でGoogleの検索上位を蹂躙するというものだ。ネット上の主要な意見では、DeNAの社会的責任やGoogleの検索アルゴリズムを問うているものが多いようだ。

しかしながら、DeNAの倫理面が真っ先に糾弾されることを疑う余地はないものの、すべて検索で所望のページにたどり着こうとする文化になってしまっていることがこの問題の元凶ではないだろうか。

私は、WELQのようなサイトを殲滅するには人力で良質な記事のシェアをもっと増やせばいいと考えている。

 

WELQが検索上位にいるという現象

検索エンジンによるウェブページの評価には、二つの面がある。機械だけで評価できるものと、人間が見て初めて評価できるものだ。

 

機械だけで評価できるもの

例えば、次のようなものがある。

  • キーワード(発生率、共起語)
  • 文章量
  • 記事数
  • 更新日時
  • ドメイン年齢

 

人間が見て初めて評価できるもの

  • ページランク
  • 直帰率
  • 滞在時間

ページランクは機械的に計算できるが、リンクは人間が貼るものだ。

また、ページランクはすでにGoogleのアルゴリズムの表舞台からは姿を消しているらしいが、権威のあるドメインからの被リンクの重要性は今も変わらないだろう。私の意見では、論文においてインパクトファクターが重要であることと同様、ページランクは最重要視されるべきだと考えている。

話はそれたが、ここで言いたいのはウェブページの評価は人間が関わることで初めて意味をもつということだ。

 

WELQ問題の原因

更新日時が古いページがいつまでもトップにいることに気づいたことはないだろうか。これは、次のような悪循環が起こっているせいだと考えられる。

まず、豊富なSEO施策がなされたページが発生する。そのとき、適切なタグ付けとともに関連キーワードを散りばめ、文章量も多くしておく。加えて、新鮮であることは自明である。そのようなページは、機械的評価により上位に表示されるだろう。

さて、果たしてこのページは上位から消えてくれるだろうか。なにせ文章量が多いものだから滞在時間は長くなりがちである。直帰しようにも、回りくどく目的の項目と関係ないことも多く書いてあるためできない。こういう記事を大量に生み出せばドメインパワーも強くなるだろう。

結果、高く評価され上位に居続ける。そうして、また次の訪問者が… 上位の入れ替わりがなくなってしまうことは問題である。

もう一つ問題がある。検索文化がGoogle一強であることだ。今日、検索に表示されないページなど存在していないも同然だ。どうやって“人間により評価”されようか。

Yahoo!など、他の検索サイトに躍進してもらうしかないだろう。(残念ながら、現在Yahoo! JAPANはGoogleと同一の検索アルゴリズムを用いている。)Bingにも頑張ってもらいたい。

知らなかったが、Qwantというサイトもあるらしい。

完全に回帰しろとは言わないが、従来のディレクトリ型やテキストリンク集も有用かもしれない。

元welqライターからの告発 : クラウドワークス批評「労働組合つくったろか」

Googleを使うのをやめ昔のYahooのようなリンク集に戻るべき。クラウドソーシングはダンピングのような安請け合いをやらせているから責任感のない文章が蔓延する

2016/11/28 00:09

b.hatena.ne.jp

 

私たちにできること

WELQのようなサイトを駆逐しよう。(“SEO対策”に貼っておきますね。DeNAパレット:MERY、CAFY、iemo、Find Travel、JOOY、cuta、PUUL、WELQ、UpIn、GOIN)

自然な循環のない検索エンジンは、悪質なサイトがのさばりやすい。私たちにできることは、ソーシャルメディアや口コミで積極的にシェア(はてなブックマーク最高!)し、検索結果に表示されないページへの流入を増やし、上位の入れ替わりを促すことではないだろうか。

悪い面として、シェアには悪い記事を拡散している場合というネガティブなものも含まれうる。しかし、これは自然言語処理でどうにかできるかもしれない。(Googleもすでにやっている可能性は十分あるが。)現に、Twitter検索ではそのようなオプションがすでにある。

この辺でまとめよう。

 

検索エンジンができること

  • 独自エンジンを使う

 

ユーザーができること

  • 有用なページは積極的にシェアする
  • Google以外の検索エンジンを利用する

 

あとがき

私はSEOの素人であるうえ、いつもになく割と勢いで書いたのでツッコミどころを大いに含むだろう。しかしながら、それをきっかけに活発な議論が生まれればうれしい。

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