あまりピンと来なかったため今更になるが、シングルの表題曲はレビューしていくと宣言していたのでレビューを書いてみる。わたしのファーストインプレッションはブラックミュージックだ。
基本情報
- 作詞:秋元康
- 作曲:シライシ紗トリ
- 編曲:シライシ紗トリ
- BPM:126
- 4分の4拍子
- Eマイナー
耳コピの練習にコード進行
聴いた雰囲気でコードを判別できる人がうらやましい。わたしが真似をしても失敗しやすい。基本は1音ずつ分けて聴き取っている。なお、筆者は短2度の和音さえ分離して聴き取る特殊な訓練を受けている。
そんなわけで、テンションコードを聴いていると他にもまだテンションがあるのでは?と疑心暗鬼に駆られてしまう。
ネットに転がっているやつは省略しすぎとか違うんじゃないの?とか思ってしまうやつです。間違いだと思う方はご報告いただけるとありがたい。
[Intro]
|C7 B7 Em7| |C7 B7 Em7| |
|C7 B7 Em7| |C7 B7 E7(+9)| |
|Am7(9,11) Bm7 Em7| |Am7(9,11) Bm7 Em7| |
[1A]
|Em| | | |
| | | | |
[1B]
|CM7|B7|Bm|Em7(11) Em/C#|
|A7|A7(9)|CM7/D| |
[1サビ]
|Em Am7|D7 Em7|Em Am7|D7 G|
|Em Am7|D7 Em7|Em Am7|D7 G|
|CM7 Bm7 Em| |CM7 Bm7 E| |
[1-2間]
|Am7(9,11) Bm7 Em7| |Am7(9,11) Bm7 Em7| |
[2A]
|Em| | | |
| | | | |
[2B]
|CM7|B7|Bm|Em7(11) Em/C#|
|A7|A7(9)|CM7/D| |
[2サビ]
|Em Am7|D7 Em7|Em Am7|D7 G|
|Em Am7|D7 Em7|Em Am7|D7 G|
|CM7 Bm7 Em| |CM7 Bm7 E| | |
[D]
|Am7 GM7| |Am7 GM7| |
|Am7 GM7| |Am7 GM7| |
|C7|F#m7|B7| |
[3サビ]
|Em Am7|D7 Em7|Em Am7|D7 G|
|Em Am7|D7 Em7|Em Am7|D7 G|
|Em Am7|D7 Em7|Em Am7|D7 G|
|Em Am7|D7 Em7|Em Am7|D7 G|
|CM7 Bm7 Em| |CM7 Bm7 E| |
[Coda]
|Am7(9,11) Bm7 Em7| |Am7(9,11) Bm7 Em7| |
|Am7(9,11) Bm7 Em7| |Am7(9,11) Bm7 Em7| |
レビュー
ピンと来なかったわけは、わたしが欅坂46に求める音楽性と異なるのが大きい。他方で、わたしと同様にこの曲をあまり好きでない方の中には地味だからという理由の方も多いのではないだろうか。メロディーは音域が狭く(B2-B3)、メロディアスではない。転調もないし、アレンジは「ぱーーー シャーン」みたいなのはなく抑えめだ。
だが、コード進行はわりとアグレッシブである。セブンスコードを基本とし、テンションも多く見られる。コードチェンジはシンコペーションを駆使。ブラックミュージックの要素を感じたのはこのためだ。あと、Aメロなんかワンコードである。
メロディーでは細かい譜割りが特徴的で、最大で1小節に13音も入る(1小節を16分音符で埋め尽くしたとしても16音)。
このリズミックで細かいメロディー、『世界には愛しかない』でポエトリーリーディングに挑戦して以降、この路線に決めたようだ。ラップにしては音程が強く、ポエトリーリーディングにしては音楽的なメロディーは、『エキセントリック』や『避雷針』など随所で見られる。
以上、抑えめに聞こえるアレンジながら、「テンションを多用したコード進行」、「リズミックなメロディー」がこの曲の特徴である。次は、細かいところ。
サビで「ラーラーソーラ#シラ♮ーソーラー♪」のように、シに半音下からアプローチするのがおもしろい。
サビの終止形はいわゆるピカルディの三度。
冬の寒さを感じられるようで、Dメロは気に入っている。
さて、ピンと来なかったならどういう音楽性がいいかというと、もっとわかりやすい方がいいということだ。基本は、アコースティックギターでリズミックな曲がいい。その点、この曲はクリアしているけど。
以前も言ったが、『サイレントマジョリティー』がそうであったようにエレクトロ(本当は好きじゃない)でもいい。ノレるバッキングと感心するメロディーがあれば。リスナーが引いてしまうような前衛的な枠組みや病んだようなダンスはいらない。*1
乃木坂はポップ(・バラード)、欅坂はロック。それで。
次にレビューした欅坂46の曲
*1:コンテンポラリーな要素がなければ今の地位はなかったと言うかもしれないが、『サイレントマジョリティー』のように確立された音楽性の中で新しいものを見せてくれれば