Cakewalk SONARを使っているにもかかわらずMacに乗り換えたわたし。ところが、
- Boot Campの使い勝手の悪さ
- Mac版SONARの開発中止
- 安い
- はやい
- うまい
の3つが決め手となり、Apple Logic Pro Xを購入しました。今回は、SONARとの比較を中心としながらLogic Pro Xをレビューします。
Logic Pro Xについて詳しく紹介します
イントロ —わたし—
気がつく良さは人によって違うもの。まずは「わたし」について紹介します。
Domino > SONAR X1 LE > SONAR Platinum > Logic Pro X
DominoはDAWではなくMIDIシーケンサーですが、DTM経験ということで入れています。といっても、Dominoはピアノ曲を打ち込みするくらいで作曲を始めたのはSONAR X1 LEからです。X1 LEで1曲完成させて「買っただけ」にならないことを確認し、SONAR Platinumに移行しました。SONARの本格的な使用歴は、合わせて3年くらいです。
Logic Pro Xに乗り換えた理由は、Boot Camp(Windowsを動かせるMacの機能)で使うのがつらかったからです。トラックパッドが好きなのにドライバがイマイチでマウスが必須でしたし、Boot Campは不具合も多数でした。使ってみてmacOSの方が好みだったことも理由の一つです。
Windows専用からMac専用に乗り換える人はあまりいないはずなので貴重(笑)な情報になると思います。
すっきりとしたデザイン
見やすいインターフェイス。SONARはサイバーな感じで好みだという人もいると思いますが、Logic Pro Xを見た後だとごちゃごちゃした印象を受けます。さすが、Apple。デザインについてはお手の物。フラットデザインなのですが、ボタン・ノブ類なのか表示なのかわからないといったようなことはありません。
画面が狭くても使いやすい
最近はどのDAWもシングルウインドウになっていますが、ただドッキングしただけという感じで画面の狭いノートPCにはつらいところ。わたしもSONARのときは、デュアルディスプレイにしてピアノロールやミキサーは2枚目のディスプレイに表示していました。でもLogic Pro Xなら、使いやすいようにデザインされたインターフェイスと、開け閉めしやすい(マウスでもキーコマンドでも)ウインドウ領域のおかげでMacBook Pro 1台(1440 x 900のスケーリング解像度で使っています)でも平気です。
コンテンツの移動量が一目瞭然
ノートやリージョンの移動時に、絶対位置と移動量が小節、拍、サブ拍、ティックとしてツールチップに表示されるので、厳密な配置も快適に行えます。
Varispeed
SONARではできなかったプロジェクト全体の再生速度の操作ができます。もちろんピッチを保ったままでも。耳コピや難しいフレーズの録音に役立ちます。
非破壊クオンタイズ
SONARではクオンタイズが破壊的でした。つまり、適用してしまうと元のタイミングに戻すことは(Undo以外では)できません。あとからクオンタイズのかかり具合を操作することができないのです。ところがLogic Pro Xでは、クオンタイズもリージョンのパラメータとして扱われるため、調整が自由自在です。
卓越したMIDI編集能力
かゆい所に手が届くMIDI編集機能を備えています。例えばレガートにする機能。ノートの終了位置から後続のノートまでトリム(あるいは伸長)してくれます。欲しかった機能なのにSONARでは(CALというスクリプト言語を使う以外)できませんでした。
巨大なプラグイン群
作曲からマスタリングまでLogic Pro Xだけで完結できるほどの音源、エフェクト、アンプシミュレーターが揃っています。
充実のパッチ
ソフトウェア音源やエフェクトのパッチ(プリセット)が充実しています。DAW付属のものとしては十分使える音源のパッチ。エフェクトのものに関しても非常に参考になるクオリティです。
スコアを美しく
SONARで作成したスコア(楽譜)は幾何学的で、お世辞にも綺麗とはいえないおまけ程度の品質でしたがLogic Pro Xは違います。その美しさは、印刷にも耐えるほど。また、MIDIイベントとは別にクオンタイズされるので、タイトでない演奏も音楽的な解釈で表示されます。
トラックパッドとの相性が抜群
通常、ショートカットかキーを押しながらホイールを操作して画面の拡大率を操作すると思いますが、トラックパッドではピンチイン・アウトすることで無段階で直感的にズームすることができます。さらに、感圧タッチトラックパッドならグリッドに沿ったときやフェーダーを0 dBにしたときにゴリっと“触覚を通して”教えてくれます。
バージョン管理
プロジェクトが自動保存され、最新から設定した数だけ前のバージョンにいつでも戻せます。戻す前に戻すことも。間違って消したまま保存してしまったコンテンツの復旧に、すでに何度か助けられました。
それでいて安い
やっぱりこれに尽きます。最上位エディション級のDAWに、作曲からアレンジ、ミックス、マスタリングまで行えるプラグインがセットで23,800円(税込、2017年6月現在)。もはや、ダンピングってレベルです。
その他の特徴や機能
公式による詳細はこちら。
使用アーティスト
- 宇多田ヒカル
- 浅倉大介
- 槇原敬之
など。
まとめ
Macを使っているなら、今すぐ買うべき。