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新垣結衣『Collage』レビュー 大切な存在となった不思議な曲の話

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もう1年半以上、ほぼ毎日のように聴いている曲がある。つまり、500回以上は聴いている計算になる。わたしはこの曲が“月並みの言葉で飾って”*1言うと大好きである。今回はそんな曲を紹介しようと思う。

不思議な曲だ。

何を言っているのかわからないかもしれないが、それは取り立てて名曲ではない。音楽理論的に特に感嘆するところも無い。特段優れたサウンドでもない。冒頭に「プチッ」とノイズの乗る箇所があるほどだ。だが、それはわたしにとって大切な曲となった。

あなたにとってそんな曲はあるだろうか?

 

レビュー Collage - 新垣結衣

Collage

Collage

  • 新垣結衣
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

YouTubeにでも公開されていればよかった。フルでお聴きいただけないのが残念である。Spotifyにも収録されているようなので是非試してほしい。

『Collage』は、アーティスト活動していたことを知らない人間も少なくないであろう新垣結衣の、アルバム『虹』に収録されている。作詞、作曲はそれぞれ、the brilliant greenの川瀬智子、奥田俊作。いくら奥田俊作の作品を好んでいてもこの曲まで追っている人はそう多くはないだろう。事実、わたしもこの曲を少しでも聞いたのは発売後5年近く経ってからである。

 

楽曲

新垣結衣は、美しい声をしている。この曲の雰囲気にぴったりの声だ。技術的に稚拙さもあるが、わたし好みのまっすぐな歌唱をする。

楽器隊はというと、アコースティックなら弾くのが無理そうな8分で刻んだピアノのコードが全体を通して奏でられる。おそらく奥田俊作が叩いたドラムスのクい気味なスネア。タイトなリズムでなくとも音楽は成り立つものだ。

曲の構成では、サビ前の変化が好みである。

編曲は會田茂一氏。こんなにも好きな曲が奥田俊作編曲でないことは自分の中の肥大化したプライドのようなものにかかると、忌憚なく言えば、少々複雑な気分であるが、結果的によかったのかもしれない。パーカッションの入ったアレンジはポップで、the brilliant greenのようなギターロックの凶悪さは無いが、安心感のある曲調となっている。

 

歌詞

とっつきやすいように*2歌詞についても感想を述べようと思う。わたしは音楽を聴いても歌詞が断片的にしか入ってこない。検索して初めて、この曲の歌詞をまともに知ることとなった。このブログではこれまで50曲以上に触れてきたが歌詞について言及するのは初めてだ。

JASRAC理事長も認めた歌詞の引用をしよう。

傷つくたびに悩むわ
溢れる涙に理由(わけ)などないの
沈んだ心は 複雑だから

憂鬱な気持ちの複雑性は共感できる。

眠りたい
すべてを忘れて
甘い香りを焚いて
羊をただ数えて

ホントの自分を取り戻すの

わたしも心にダメージを負ったとき、寝ることで回復を試みる。

 

存在

いつも寝る前にはベッドの上でヘッドフォンをし、音楽を聴く。プレイリストの再生は、たとえシャッフルしていてもこの曲から始める。それは、どんな精神状態であってもなぜかこの曲なら「聞きたくない」ことが無いからだ。わたしにとってホームのような存在である。

 

最後に

この文章は改めて聴き返すことなく書いた。それほどまでに、この曲は自分の一部となっている。

結果的に他人に何かをもたらせたとしても、ブログなど結局は自分のためでしかない。中でもこの文章は究極の自己満足である。——それでも、この曲があなたにとって特別な存在になることを願って

 

もし琴線に触れるものがあれば、奥田俊作が作曲した他の曲も聴いてほしい。

ブリグリのシングルについてはここにまとめてある。

the brilliant greenシングル全曲レビュー

奥田俊作の外部提供曲はこちらにまとめた。

the brilliant green奥田俊作 外部提供曲まとめ

虹(初回限定盤A)

虹(初回限定盤A)

 

*1:—the brilliant green『そのスピードで』

*2:他の楽曲レビューを読んでいただければわかると思う